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水のコラム

マンション排水管の構造と仕組みは?つまりの原因と予防策

2023年05月29日 2026年05月16日 水回り

マンションの排水管は、キッチンやお風呂、洗面所、トイレから出る排水を建物全体で受けて屋外へ流す重要な設備です。戸建てに比べて配管の本数や接続箇所が多く、専有部分と共用部分がまたがるため、つまりや水漏れが発生した際に原因の切り分けが難しくなりやすい特徴があります。

また、排水管の不具合は一住戸だけの問題にとどまらず、建物全体に影響を及ぼすこともあります。そのため「流れが悪い」「臭いがする」「ゴボゴボと音がする」といった症状がある場合は、放置せず早めに対処することが大切です。

さらに、マンションでは自室の排水不良が共用の立て管や横主管の問題と重なって見えることもあり、「住戸内」「共用部分」「建物構造」の3つの視点で原因を考える必要があります。特に築年数が進んだ建物では、汚れと老朽化が同時に進行しているケースも少なくありません。

この記事では、マンションの排水管つまりが起きる主な原因や確認ポイント、適切な対処法について分かりやすく解説します。

マンション排水管の基本的な構造と仕組み

マンションの排水管は、住戸内の枝管、各住戸の排水をまとめる立て管、建物内の排水を屋外へ導く横主管などで構成されます。
国土交通省の資料では、排水立て管は一以上の排水横枝管からの排水を受けて排水横主管へ導く管、排水横主管は建物内の排水を集めて屋外排水設備へ導く横引き管と整理されています。

まずは、この基本構造を押さえ、つまりの原因の理解につなげましょう。

【出典】国土交通省「マンション管理標準指針コメント」

専有部分と共用部分の区分けと役割

マンションでは、住戸内だけで完結する枝管は専有部分として扱われることが多い一方、複数住戸に関わる立て管や横主管は共用部分に当たることが一般的です。

国土交通省の標準管理規約コメントでも、共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うケースや、共用部分と構造上一体となった専有部分の配管を一体的に扱う考え方が示されています。
つまり、室内にあるから必ず専有部分とは限らず、構造上どこまで一体かを確認する視点が欠かせません。

この区分けが曖昧なまま修理を進めると、管理組合へ相談すべき工事なのか、各住戸で負担すべき修理なのかが分かりにくくなります。
つまりが起きた場所だけで判断せず、枝管なのか立て管なのか、共用部分と一体になっているのかを確認してから進めると、対応の行き違いを減らしやすくなります。

【出典】国土交通省「マンション管理標準指針コメント」

汚水・雑排水・雨水を分ける排水系統の仕組み

排水系統は、「トイレからの汚水」「キッチンやお風呂、洗面所からの雑排水」「屋外からの雨水」に分けて考えると整理しやすくなります。

公共下水道へ流す排水設備は一定の水量や流速を保ち、適正に接続しなければなりません。そのため、系統が分かれていても住戸内や共用部で接続点が多いため、どの系統で流れが悪くなっているのかを見極めることが大切です。
また、雨水系統は汚水や雑排水と混ざらない前提で計画されるため、接続不良や誤接続があると本来の流れが乱れやすくなります。

マンション全体の排水計画は単純な一本配管ではなく、用途ごとに負担を分けることで機能を保っているため、普段見えない部分ほど、正しい系統分けが重要となります。

水の流れを作る「勾配」の重要性

排水管は、水をポンプで押し出すのではなく、基本的に重力で流す仕組みとなっています。そのため、配管に適切な勾配がないと汚れや固形分が残りやすくなります。

排水設備は、技術上の基準に沿って設置しなければなりません。プラスチック製配管の施工手引きでも、逆勾配が管路機能不良の原因になる可能性があります。

このように、排水管の流れの悪さは、単なる汚れだけでなく勾配不良が背景にある場合もあります。

メンテナンス性に影響するスラブ上配管とスラブ下配管

スラブとは、住戸の床や下階の天井を構成するコンクリート床版のことです。
スラブ上配管は、その床版の上側、つまり住戸の床下側へ配管を通す方式を指します。

反対にスラブ下配管は、床版の下側、下階住戸の天井内などへ配管が通る方式です。
国土交通省の資料でも、スラブ下配管をスラブ上化する改修や、スラブ下配管方式かどうかを確認する調査方法が示されており、マンションの維持管理で重要な論点になっています。

【出典】国土交通省「要除却認定実務マニュアル」

スラブ上配管(床転がし配管)の特徴とメリット

スラブ上配管の大きな利点は、点検や更新がしやすいことです。排水枝管が床スラブの上を通っているため、住戸内の工事で配管に手を入れやすく、下階住戸への影響も比較的抑えられます。

高経年マンションでスラブ上化が検討されるのは、こうした利点があるためです。

スラブ下配管(スラブ貫通配管)の注意点

スラブ下配管は、漏水時の影響が下階へ及びやすく、点検や修繕でも調整事項が増えやすい点に注意が必要です。
国土交通省の要除却認定実務マニュアルでも、スラブ下配管方式かどうかを設計図書や現地照合で確認するとされており、配管設備腐食等の判定で重要な項目になっています。

排水管のつまりが慢性化している古いマンションでは、汚れだけでなく配管方式そのものが保全の難しさにつながっている場合があります。

【出典】国土交通省「要除却認定実務マニュアル」

リフォームの可否に関わる構造上の違い

水回りの位置変更やユニットバス化を考える際も、配管方式の違いは大きく影響します。つまり、リフォームのしやすさは設備の古さだけでなく、配管が床の上を通るか下を通るかで変わります。

間取り変更を検討するときは、先に配管方式を管理会社や大家さんに確認してみてください。

マンションの構造に起因する排水管つまりの原因

マンションの構造に起因する排水管つまりの原因は主に、「キッチンの油汚れ」「浴室や洗面所の髪の毛・石鹸カス」「金属系配管の腐食やスケール」「配管のたわみや変形」です。

排水管のつまりは、これらの原因のどれか一つだけでなく、複数の要因が重なって起きる場合も少なくありません。
日常の使い方だけでなく、建物の構造や材質、築年数が重なってつまりが起こる点に、マンション特有の難しさがあります。

キッチン・浴室の油汚れや髪の毛による蓄積

キッチンでは油、浴室や洗面所では髪の毛・石鹸カス・皮脂などがつまりの主因となります。
油は冷えると固まりやすく、配管内の壁に付着しやすい性質があります。そこへ髪の毛や石鹸カスが絡みつくことで、より落ちにくい汚れとなり、徐々に排水経路を狭めていくのです。

マンションは住戸数が多く、各住戸から同じような汚れが継続的に流れるため、枝管だけでなく立て管や共用系統にも負荷がかかりやすくなります。
日常的な使い方の積み重ねが、つまりを引き起こす原因となることを覚えておきましょう。

配管内部の汚れやスケールなど経年劣化による詰まり

経年劣化が進むと、汚れが蓄積するだけでなく、配管内部が荒れたり腐食由来の異物が付着したりします。

金属系の管は腐食の影響を受けやすいため、硫化水素起因の劣化や腐食が漏水・損傷の要因となります。一方、樹脂系の塩ビ管では、金属管のようなさび・腐食は出にくいものの、油脂、石鹸カス、髪の毛などの汚れが付着しやすいのが特徴です。
このように材質ごとにたまりやすいものが違うため、排水管つまりの原因を特定する際は、築年数だけでなく配管の素材も把握する必要があります。

さらに、長年使用された配管は内面がざらつきやすくなり、そこへ汚れが引っかかりやすくなります。この状態になると、軽い汚れでも付着しやすくなり、結果としてつまりが進行しやすくなるため注意が必要です。

構造上の勾配不足や配管のたわみ

設計時の勾配不足や、経年による配管のたわみも排水管がつまる原因の一つです。

マンションでは床下や天井内に長く横引きされる枝管もあるため、少しのたわみでも汚れがたまるくぼみとなりやすく、慢性的な流れの悪さへつながります。また、配管の支持が弱くなったり、経年でわずかに変形したりすると、見た目では分からない程度でも排水の流れに影響する場合があります。

こうした構造的な問題はご自身で解消しにくいため、繰り返しつまりが起こる場合は、水道修理業者へ点検を依頼してみてください。

排水管つまりの予防策

排水管つまりの予防の基本は、「流さない」「ためない」「早く気づく」ことです。

キッチンのごみ受けをこまめに掃除する、お風呂のヘアキャッチャーにたまった髪の毛を早めに取り除く、洗面所へ大量の歯磨き粉や整髪料を流し込まないなど、小さな習慣の積み重ねが効果的です。
排水口の流れが少し遅い段階で対処すれば、高圧洗浄や大がかりな工事へ進む可能性を下げやすくなります。

排水管の定期洗浄方法

日常的な予防策と、マンション全体で行う専門洗浄は役割が異なります。住戸内では軽い汚れをためないこと、共用系統では建物全体の状態を整えることがポイントです。
排水管つまりを引き起こさないためには、手が届く範囲の掃除だけで安心せず、管理組合の洗浄計画も確認しておきたいところです。

市販の液体パイプクリーナーを使用

住戸内の定期的な手入れでは、液体パイプクリーナーが取り入れやすい方法です。

ただしこの方法は、軽いぬめりの予防には向いていますが、固形物のつまりや深部の強い閉塞を解消できないことがあります。製品表示を確認しながら、過度な使用ではなく定期的な予防策として使用してみてください。

また、液体パイプクリーナーを使用する際は、製品の使用方法を守ることが重要です。特に塩素系の液体パイプクリーナーは、他の洗剤と混ぜて使用しないようご注意ください。

マンション全体で行う定期高圧洗浄

マンションでは、管理組合や管理会社が、住戸内枝管を含む排水設備の定期洗浄を計画することがあります。

高圧洗浄の案内が来たときに不在が続くと、住戸内枝管だけ洗浄できず、建物全体の維持管理に差が出てしまいます。共用系統の洗浄日程は、単なる年中行事ではなく、将来の水漏れや悪臭の予防にも関わるため、可能な限り協力しましょう。

排水管の寿命と老朽化対策

マンションの配管は永久に使用できるものではなく、経年劣化に応じた計画的な更新が必要になります。
もちろん材質や施工条件で差はありますが、築年数が進むと水漏れが起きていなくても、長期修繕計画の中で配管更新が検討されることがあることを、あわせて覚えておくとよいでしょう。

排水管の交換工事方法

排水管の老朽化対策には、既存管を新しい管へ取り替える更新工事や、配管方式の見直しを伴う改修があります。
国土交通省の資料では、スラブ下配管のスラブ上化や専有部分を含む給排水管の全面更新が先導的な改修として示され、標準管理規約でも共用部分と専有部分の配管を一体的に工事する考え方が整理されています。

実際の工事では、調査、合意形成、長期修繕計画への位置付け、費用負担の整理が重要です。単に管を替えるだけでなく、将来のメンテナンス性まで含めて検討されることとなります。

【出典】国土交通省「住宅市場整備推進事業」

水道トラブルならふくおか水道職人にお任せ

マンションの排水管つまりは、住戸内の汚れだけでなく、横引き管や立て管、配管の勾配、さらには共用部分の管理状態など、さまざまな要因が関係することがあります。
市販のパイプクリーナーで改善しない場合や、つまりを繰り返す場合、複数の水回りで同時に流れが悪くなる場合は、自己対応での解決が難しいケースも少なくありません。

ふくおか水道職人は水道局指定工事店として、24時間365日ご相談を受け付けております。作業前には必ず内容のご説明とお見積もりを行い、ご納得いただいたうえで作業を進めておりますので、安心してご依頼いただけます。

※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。

監修者

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福田マネージャー

《略歴》

2018年に株式会社 N-Visionに入社し水道メンテナンス業務を行う。
業界歴は7年で現在年間600件ほどの対応を行う。つまり・水漏れのトラブル解決のプロフェッショナルです。
修理完了後も安心してご利用いただける環境づくりに努めております。
福岡県でつまり・水漏れでお困りでしたらふくおか水道職人にお任せください。

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