水のコラム
トイレの床がたまに水漏れしたら無視はNG?正しい対処法を紹介
トイレに多くみられる水漏れは、設備の老朽化や部品の摩耗、ずれが原因で起きることが多く、配水管を伝って流れ出したり、床一面にじわじわと水が広がったりというトラブルが挙げられます。
配水管のつなぎ目から漏れ出すような特定しやすいトラブルであればすぐに対処ができますが、トイレの床に水漏れが起きていると、どこから漏れ出しているのかがわかりづらく対応が遅れる可能性もあります。
そこで、この記事ではトイレの床が水漏れを起こしたときの対処法と確認するべき場所、水漏れの原因について紹介します。「たまにトイレで水漏れが起きるけれど対処法がわからない」「知識をつけて水漏れトラブルに備えたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
たまにトイレの床が水漏れするときの対処法
気がつくとトイレの床が水漏れしてしまう、不定期だがたまに水漏れをしているといったケースでは、どのように対処すれば良いのでしょうか。
放置するのはNG
水漏れのトラブルは、基本的に放置するべきではありません。水漏れ箇所を放置していると、床の素材によってはどんどん水が染み出していき、階下や他の部屋にも影響します。水漏れ箇所の床に水分が浸透すると、腐ったりカビが生えたりするおそれもあります。
水漏れを見つけたらすぐに拭き取り、雑巾などに水分を吸収させて影響を最小限に抑えます。水が止まらなければすぐに水道業者へ連絡し、止水栓や元栓を閉めて対応しましょう。
応急処置の方法
水漏れを発見したら、応急処置として以下の4つの手順で対応を行いましょう。水道業者に連絡し、現場に駆けつけるまでにもいくつか処置をしておくと安心です。
トイレの使用を止める
はじめに、トイレの使用を控えて水を流さないようにしてください。これは、トイレを流す際に何らかの原因で水漏れが起きている可能性があるためです。「トイレの使用に関わらず水漏れを起こしている」場合でも、トイレの使用は一旦控えて、次に紹介する手順に移ってください。
止水栓を閉めて電源コードを外す
水漏れを確認したら、トイレは使用せずに止水栓を閉めます。手で回すハンドルタイプの場合は時計回りに、マイナスドライバーを使うものはマイナスドライバーで時計回りに回して、水の供給を止めてください。
止水栓が閉まったら、電源コード(電気が通っている便器のみ)を外します。ウォシュレットのように複数の止水栓が取り付けられている便器は、ウォシュレットではないほうの止水栓を閉めてください。
便器の水を汲みだす
便器内の水が溢れそうなときは、普段の量にまで汲み出しておきましょう。バケツや灯油用のポンプを使い、便器内に溢れてしまった分の水を取り除きます。
水が溢れておらず、床にのみ染み出しているケースでは汲み出し作業は不要です。ただし、トイレの動作を確認しようとして水を流すと逆流するおそれがあるため、トイレの水は流さないように注意してください。
トイレだけではなく、キッチンでも水が逆流するトラブルが発生することがあります。こちらの記事ではキッチンの排水口つまりについて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
キッチンの排水口つまりの原因と排水口の仕組み・対処法
床の水をふき取る
次に、床に漏れている水の色を確認しましょう。一見区別がつきにくいかもしれませんが、透明な水であれば給水管や配水管からの水漏れと考えられます。止水栓を閉めて様子を見ることで応急処置が完了する可能性があります。
水の色が茶色、または黄色や異臭をともなう場合は、いずれも汚水です。汚水についてはそのままにせず、水分を拭き取ったあとでトイレの洗剤を薄めて拭き取り、アルコール消毒も行ってください。
トイレの床が水漏れした際に確認するべき箇所
トイレの床が水漏れしたときは、応急処置をしながら6つのポイントもチェックしておきましょう。
状況を把握しておくことで、水道業者への連絡がスピーディに行えます。業者に見積もりをとる際にも、現場の状況が詳しくわかっているとスムーズです。
①便器本体
まず、便器本体の水漏れを確認しましょう。本体のなかで水が漏れてくることが多い場所は、便座を支えている便器(台)の部分です。
便器にひび割れが発生していると、部位によっては中に溜まった水が漏れ出してきます。便器の下の方でひび割れが起きていたら、そこから中の水がじわじわと染み出してきます。
ただし、ひび割れが見つかった場合は便器自体が老朽化または破損をしている可能性があるため、早めに交換を行ってください。
②便器と床の隙間
次に、便器と床の隙間を確認しましょう。便器が取り付けられている部分です。
水を流していないのに隙間から水漏れが起きているときは、便器がずれているか、排水ソケットなどの部品が劣化しており水漏れを起こしている可能性があります。
隙間の水漏れは、実際にその部分を確認しなければ原因がわからないため、便器の取り外しが必要です。自力では難しい点検修理のため、水道業者に状況を伝えたうえで、早めに依頼を行ってください。
③給水管・洗浄管
給水や洗浄を行うための管から水漏れを起こすケースでは、老朽化による緩みやひび割れが考えられます。劣化が進んだ配管ほどささいな衝撃でもずれる可能性があり、水漏れの起きやすい部位といえるでしょう。
管の接続にはパッキンやスパット、ナットといった部品が使われており、緩みが生じることで水が漏れ出しやすくなるのです。
④トイレタンク
トイレタンクからの水漏れとしては、タンクのフタとタンク本体の間・タンクの下部に取り付けられている排水管・タンクと便器のすき間からの水漏れが考えられます。
床にも水が漏れ出している状況では、接続部や配管の不良が考えられるため、パッキンのように摩耗しやすい部品を中心に点検します。ただし、目視だけで故障や不具合の箇所が確認できなければ、すぐに水道業者に相談してください。
⑤ウォシュレット
便座は本来水の流れのない場所ですが、ウォシュレットは便器内から水が外に吹き上がる構造のため、接続部の故障や不具合によって便器と便座のすき間から水が漏れ出す場合があります。
ウォシュレットについても、使用していないのに水がポタポタ出る・噴射し続けたまま止まらない・よく見るとウォシュレットからじわじわ水漏れしている…といったトラブルがみられます。
便器を伝い、床または便器内部に漏れ出しているケースもみられるため、便器の外側に問題がなければウォシュレットをよく観察してみてください。
⑥床下の配管
便器や便座、タンクに問題がないのに水漏れをしているときは、床下からの水漏れが考えられます。水滴や水の広がりがなく、床のみが濡れているようなケースでも床下の配管トラブルが疑われます。
床下に通っている排水管や水道管に何らかの不具合があると、破損やズレが生じて水漏れを起こすことがあります。
床下は目視ができない場所のため、放置しているとカビや害虫の発生を招くおそれがあります。住宅に使われている材料の腐食や劣化にも繋がるため、早期に修理を依頼するようにしてください。
トイレの床が水漏れする原因
トイレの床が水漏れを起こすのは、便器を含めていくつかの箇所から水が漏れ出していると考えられます。具体的に考えられる5つの原因をみていきましょう。
原因①便器本体の破損
便器本体が破損を起こすと、溜めていた水やトイレの洗浄中に流した水が少しずつ床に漏れてきてしまいます。
通常、便器は頑丈にできており、衝撃が加わったからといってすぐに破損するものではありませんが、劣化の程度や便器に使われている素材によっては衝撃が伝わって破損を起こします。軽微なひび割れでも水が浸透し、次第に割れの程度が広がってしまうケースも考えられるでしょう。
便器に破損が起きたときは、新しいものに交換しなければなりません。一時的にパテやテープで防いでも水漏れを完全に止められるわけではないため、設備ごと取り替えが必要になります。
原因②止水栓の劣化
トイレの止水栓は水の流れを止めるための栓ですが、部品または止水栓本体が破損していると、そこから水漏れが起きてきます。
普段は止水栓を開けて水が流れるようにしているため、部品または止水栓本体が損傷していると水が一部外に漏れ出し、床へ浸透して水漏れになってしまうのです。
止水栓まわりの劣化や破損がみられたときは、故障や破損のある部品を中心に交換して様子をみます。その作業だけで水漏れが止まらなければ、他の部分にも不具合が出ていると考えられます。
原因③パッキン類の劣化
パッキン類が劣化すると、排水管や水道管をスムーズに水が流れていかず、水漏れが起きやすくなります。
パッキンは気密性を高めるための部品であり、漏れ止めに使用される重要な部品のため、ここが緩んだり破損したりすると水が染み出しやすくなります。
水漏れを起こしたときは、まず水が出てきている箇所を確認します。排水管や給水管といった配管から水が漏れ出ていれば、パッキン類が劣化や破損を起こしていると考えられ、新しいものへの交換が必要です。
原因④フランジの劣化
フランジとは、便器と排水管とを繋いでいる部品の名称です。
フランジは床上から穴を開けて床下に突き出し、排水管と便器をそれぞれ繋げていますが、地震や劣化でフランジに不具合が起きると、便器の下から床へ水漏れが発生するようになります。
便器内の排水に関わる部品のため、不具合のあるフランジはすぐに交換しなければなりません。状態の確認には便器を取り外す必要があるため、点検修理には便器の取り外し費用がかかります。
原因⑤ガスケットの劣化
便器と排水管の間の繋ぎ目には、ガスケットと呼ばれる部品が付属しています。経年劣化によってこのガスケットが割れや潰れを起こし、そこから水が漏れ出してくるトラブルも多くみられます。
ガスケットはフランジの上に取り付けられており、水漏れを防いでいます。しかし繰り返し使うほどガスケットに力がかかり、ズレや変形を起こすために、水の流れを悪くしてしまいます。
タイル張りの床にうまく便器が固定されていないと、ガスケットに余分な力がかかるため変形が起こりやすくなります。床と便器の間から水が漏れ出したときは、フランジとあわせてガスケットの確認も必要です。
水漏れ以外の理由でトイレの床が濡れる原因
トイレまわりのトラブルは水漏れが代表的ですが、間違いやすい状況としては結露が挙げられます。
夏季や冬季などトイレの室内外で温度差がつくような環境では、便器とトイレ内の温度が異なり、結露が発生することがあります。便器の下部、床の近くで結露が起きると水漏れのように床へ水が染み出していくので、水漏れトラブルと混同する場合があります。
結露の次に水漏れと間違われやすいトラブルとして、尿はねの可能性も考えられます。男性は立った状態で排泄を行いますが、尿はねがあると壁や床に尿が飛び散りやすくなるため、水漏れと間違えるおそれがあります。その他、他の場所からの水漏れや、災害対策として準備していたペットボトルの水がこぼれているケースも考えられます。
水漏れが見つかったら、まずはどこから水が出ているのかを確認し、水が出続けているか(または止まっているか)も確認してください。
トイレの床が水漏れするときの対処法
トイレの修理経験が少ない方は自力での作業よりも水道業者に依頼をしたほうが確実ですが、床が水漏れしたときは応急処置も含めて3つの対処法が検討できます。
パーツの交換
トイレに使われている便器本体・配管・パッキンやフランジといった部品のほか、タンク内に使われている部品にも不具合があれば、新しいものに交換して様子をみます。
便器やタンク本体は細かい部品よりも寿命が長いため、致命的な破損や不具合がなければそのまま使い続けられます。取り外しのしやすい部品は自分自身でも交換できるので、業者に依頼する前に自分で直せるケースもあります。
自力で交換が難しいパーツや、不具合の起きている場所やよくわからないようなケースではプロの業者による点検が必要です。床下の配管や排水管に原因がみられるときも、大掛かりな作業が必要になるため専門の業者に作業を依頼してください。
補修テープやパテによる修復
補修テープ・防水パテ・穴埋めシールといった修理用のアイテムはとっさのトラブルに役立つアイテムですが、完全に元通りに戻すことはできません。
水はわずかな隙間からも染み出してくるもののため、完全な修復のためには不具合箇所の交換が必要です。
ボルト・ナットの締め直し
ボルトやナットの締め直しも水漏れを防ぐための修理方法の一つです。部品の緩みによって水漏れが起きていれば、自宅にある工具を使って締め直しを行ってみましょう。
それでも水漏れが起きてくるようであれば、部品ごと新しいものに交換が必要になります。被害が大きくなる前に水道業者に連絡し、締め直しを行った経緯も含めて相談してください。
マンション・アパートで水漏れした際の注意点
マンション・アパートのトイレで水漏れが発生した際は、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。「大家や管理会社への連絡」「階下への水漏れ」の2点についてチェックしていきましょう。
必ず大家・管理会社に連絡する
マンションやアパートでは、トイレに関わる排水・給水設備は建物全体で共有しているため、水漏れがあったからといって自分で修理を加えてはいけません。
建物の種類によっては共有の元栓が使われているところもあります。共有の元栓を閉めてしまうと他の部屋のトイレも使えなくなってしまうため注意が必要です。水道業者を呼ぶ際にも、必ず事前に大家や管理会社、所有者へ連絡を行いましょう。
階下へ水漏れしていないか確認する
水漏れが起きたときは、床をきれいに拭き取り消毒を行ってからしっかりと乾燥させます。2階以上の部屋では、階下の天井や廊下に水漏れが起きていないかも確認するようにしてください。
トラブル防止のため、直接水漏れが起きたかを確認しに行くのはよほどの緊急時以外は避けてください。階下に訪問しなければならないときは、前もって管理会社や所有者に連絡をしておくと安心です。
トイレの床の水漏れを予防するための対策
トイレの床の水漏れを予防する方法として、以下のポイントをチェックしてください。
【トイレの水漏れを予防する方法】
- ・こまめに水漏れをチェックする
- ・定期的に点検を行う
- ・老朽化した設備は交換する
- ・自力での修理は行わない
- ・部品を無理に外さない
トイレの水漏れは、部品の劣化や故障によって起きるケースが多くみられます。年数が経っているトイレに多いため、老朽化している設備は早めに新しいものに交換してください。
トイレの状況はこまめに確認し、水道業者による点検やメンテナンスも定期的に行いましょう。自分自身では気づかなくても、プロが見たときに異常や不具合を指摘してもらえる場合があります。
ひび割れや水漏れ箇所を塞ぐために防水パテや穴埋めシールで修理を行うケースもみられますが、自力での修理は一時的な対応であり、完全に水漏れが防げるわけではありません。
自力で修理を行っても、再度同じ場所から水漏れを起こす可能性があります。少しでもおかしいと感じたときはすぐに水道業者に連絡し、必要に応じて修理交換を行いましょう。
トイレの水漏れ修理を業者に依頼した際の費用相場
トイレの水漏れ修理を業者に依頼した際の費用相場については、「基本料金(作業代金)」に「部品代」「脱着(交換)作業代」「出張費」「時間外作業料金」などが加わります。
業者ごとに違いはありますが、基本料金は数千円程度に設定されており、そこにパッキンやホース、止水栓といった部品の交換が発生するため、老朽化や故障した部品の交換代金によって合計金額が変わります。
タンクや便器を取り外す作業は、数千円〜5万円程度の費用が発生します。水漏れの程度が大きく、床の貼り替えをしなければならないケースではさらに数万円の費用がかかるため、水漏れの範囲が狭いうちに点検や修理を依頼しましょう。
異常や違和感のサインもこまめに確認
今回はトイレの水漏れについて、考えられる原因や水漏れを起こしやすいポイント、対処方法について紹介しました。
トイレの水漏れは突然起きるトラブルと思われがちですが、実際は便器のがたつきや配管からの異音といった兆候がみられるケースも少なくありません。少しでも異常や違和感に気づいたときは、原因を観察・チェックしたあとで水道業者に連絡し、集合住宅では管理会社や所有者にも早めに相談しておくことをおすすめします。
きたきゅう水道職人では、水道局指定店として水回りに関するさまざまなトラブルに対応しています。24時間365日受付・ご訪問を行っているので、今すぐ相談したい場合もお気軽にご連絡ください。
監修者
福田マネージャー
《略歴》
2018年に株式会社 N-Visionに入社し水道メンテナンス業務を行う。
業界歴は7年で現在年間600件ほどの対応を行う。つまり・水漏れのトラブル解決のプロフェッショナルです。
修理完了後も安心してご利用いただける環境づくりに努めております。
福岡県でつまり・水漏れでお困りでしたらふくおか水道職人にお任せください。
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