ドラムトラップの成り立ちと構造を詳しく解説

ドラムトラップは、キッチンや浴室といった家庭内で排水される箇所につく「排水トラップ」の一種です。排水管内部の臭いを逆に流れさせない目的を持つ「封水」を溜める空間が大きいことが特徴です。

この封水部分が減ると破封が起き、それは異臭の原因にもなります。そこで今回は、ドラムトラップの成り立ちと構造について詳しく解説します。

ドラムトラップとは？他のトラップも紹介

ドラムトラップとは、キッチンや風呂場など、排水されるところに置かれている「排水トラップ」の1種です。

排水トラップの役目

排水される場所には、排水トラップがあります。洗面所の下部をみると、管がぐにゅっとS字型に曲がっている部分があります。これも同じくトラップです。排水トラップは、排水管内に水を溜めて、逆流が起こらないように路をブロックしています。

このトラップがあることで、排水管の奥側からの異臭や虫の侵入を防止しているのです。排水トラップには、ドラム型トラップ、ワン型トラップ、管型トラップ類があります。

ドラムトラップの作り

ドラムトラップは、水を溜める箇所がドラム缶型をしています。トラップは、毛髪類が流れつくのを防止する目皿と組みで使用されており、ユニットバスや昨今の風呂の多くがこのような形になっています。

ドラムトラップの特徴は、貯水が大量にできるところです。大量に水を溜められるので、破封といった問題が発生しにくいという利点があります。ただし、自然に洗浄してくれるような機能がないので、定期清掃が必須で、点検が困難なことが弱点といえます。

ワン型トラップの仕組み

ワン型トラップは、お椀の形の蓋を排水管にかぶせる形状となっているものです。ワン型トラップと目皿は、2つがネジ類でとめられているケースと別れているケースがあります。

目皿を外すだけで手軽に入手できるので、清掃が簡単で便利な一方、水封部分の水量が少なく水が簡単に蒸発してしまうという弱点もあります。水が蒸発すると、排水内の異臭が逆に流れる場合もあります。

管型トラップの作り

排水管内で大きくS字型に曲がりくねっているトラップのことを管型トラップと呼びます。排水管をあえて曲げることにより貯水し、下水側からの嫌な臭いをブロックするカバーのような役目をしているものです。

管トラップの種類には、曲がって床方面に抜けていくS字型トラップ、曲がって壁面に水平方向に抜けていくP字型トラップ、出入り口は水平方向で途中の形が曲がっているU字型トラップの3タイプがあります。

管トラップの利点は、別のトラップと比べ排水口内部にトラップを置くスペースを必要としないことや、水を用いると自然に洗えるということです。弱点は、別のトラップより破封になりやすい点です。

排水トラップから異臭がする場合は破封に注意

仮に排水トラップ内から異臭がするとき、注意が必要になります。破封しているかもしれません。

排水トラップ内部には、封水といわれる水があります。封水の役目は、異臭や害虫の侵入を防ぐことです。端的にいうと外の逆流を防止するカバーの機能を果たしている水のことです。

排水トラップ内にあるこの封水が少なくなったり蒸発してしまったりした場合、排水管の奥側から空気が下水側から逆に流れてしまいます。これを破封といいます。

破封の仕組み

破封が発生する成り立ちには、以下5通りがあります。

・封水の蒸発

水は常温であり、封水を一定期間使用しなかった場合に、徐々に蒸発していくことが破封の要因になる場合があります。

・すい出し作用

縦方向に通じる管の上から勢いよく大量に排水されると、その周辺にあるトラップの封水も同時に排水される場合があります。これをすい出し作用と呼び、マンションなどの高い建物内で発生しやすい現象です。

・跳ね出し作用

跳ね出し作用は、すい出し作用の反対の作用ともいえます。縦方向に通じる管に勢いよくたくさん排水された場合に、空気と同じく部屋内に水が噴き出してしまうのです。横方向に通じている管が短く、縦方向の管のそばにトラップが置かれていると発生しやすい現象です。

・毛細管現象

細長い管を水が逆に流れていく現象を毛細管現象と呼びます。これは、排水トラップ内側に繊維質の固形物が垂れていると、その部分を水が流れてくることが理由で発生します。固形石鹸や毛髪類でも起こる場合があります。

・破封が発生する原因

破封が発生する仕組みには色々な現象があります。いずれかの現象によって排水トラップ内の水が減ると、トラップ部分が機能をなくしてしまいます。その場合、排水管の異臭が部屋内に入ってきてしまうのです。

ドラムトラップで破封が起きた場合にすること

破封が発生した以下のケースは、自分で解消できるかもしれません。

すい出し作用、跳ね出し作用のケース

このケースは、空気圧を一定に保つことが対策となります。通気管がはじめからつくP字型トラップやU字型トラップに取り替えてしまうのも一つの手段です。ただ、同装置が置ける

空間的余裕があることと、自分で取り替えするためのツールを用意しておく必要があります。

清掃で回復するケース

排水口内で異臭を嗅いだら、第一に清掃してみるといいでしょう。排水口を分解し、排水口や各パーツを順に取り外します。その後、全部を清潔に洗いましょう。最後にパイプ用洗浄剤を排水口内に注ぐと、さらに消臭の効力があります。

パイプ内を清掃するには、パイプ部分を分解して高圧洗浄し、最後に薬剤を用いると最適です。以上の方法を実践しても効果がないときは、専門の業者に依頼しましょう。原因を見つけて、正しい方法で解消してもらうことが可能です。

排水口内からの異臭原因が、もし固形物による詰まりのケースは、自分で解消しようとするとより奥側に押し込んでしまう危険性があります。また、嫌なにおいが気になるケースも、別の問題が関係する場合があります。専門業者に依頼しましょう。

専門業者への依頼で気をつけるべき4つのポイント

相見積りをとる

見積もりは、できる限りいくつかの修理業者に依頼することをおすすめします。相見積りをとることにより、費用だけではなく、各業者のサービス体系や対応のレベルを比べられます。検討してからどの専門業者に依頼するか決めましょう。

現場調査してくれる

見積りをとる際に、どのような現象が発生しているのか、電話やメールで伝えても、現場に来てみないと判断できないところもあります。確実に伝わっていないと、作業当日になって修理に必要となる道具がなかったり費用が変わってきたりする危険もあります。

無料で現場調査をしてくれる専門業者だと、あらかじめサービスの内容や料金がわかって信頼できます。

水道局指定免許を所持しているか確かめる

信頼できる専門業者か判断する1つの目安として、水道局の指定免許を所持しているか確かめてみることをおすすめします。免許を所持している場合、ウェブサイトでアピールしている場合が多いです。

経験・実績や口コミをみる

経験・実績や口コミをみて、信頼できるか検討することもできます。自分が依頼する内容と同ケースの症例を以前にどのぐらい対処した実績があるのか調べましょう。対応の質や価格についても専門業者のウェブサイトなどで口コミをみておくと安心です。

まとめ

排水トラップにはさまざまなタイプがあり、各自特徴があることが理解していただけたのではないでしょうか。記事内でお伝えした情報もぜひ参考にしてみてください。

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監修者

主任

福田 武士

《略歴》

2018年に株式会社 N-Visionに入社し水道メンテナンス業務を行う。
業界歴は7年で現在年間600件ほどの対応を行う。つまり・水漏れのトラブル解決のプロフェッショナルです。
修理完了後も安心してご利用いただける環境づくりに努めております。
福岡県でつまり・水漏れでお困りでしたらふくおか水道職人にお任せください。